アメリカの石油会社であり、同名の燃料ブランド、オイルブランドでもあるフィリップス66(PHILLIPS 66)について詳しくまとめておきます。
フィリップス66はアメリカ合衆国テキサス州ヒューストンに本社を置く石油精製と石油製品の販売会社です。自社で石油精製所も持ち、アメリカ国内各地の自社ブランドのガソリンスタンド(Phillips 66、76、Conoco)を通して石油製品(ガソリン、潤滑油など)の販売を行なっています。米国でマルチグレードのエンジンオイルを初期に導入した石油会社の1社です。
フィリップス66社は1917年にフランク・フィリップスとエルダス・フィリップスの兄弟がフィリップス石油(Phillips Petrolium)という名前で創業しました。フィリップス66のブランドは1927年に新しいガソリンをオクラホマ州のアメリカ国道66号線(ROUTE 66/ルート66)でテストした際に毎時66マイル(時速で約106km)に達したことに由来します。そのため国道の番号を示す道路標識に似せたものをブランドのロゴマークとしました。その後フィリップス66ブランドは潤滑油にも拡大し、現在は米国の商標名として広く認知されています。
フィリップス66のロゴには新旧があります。おおよそになりますが、創業初期から1920年代のロゴマークはラウンド型(丸形)、1930年頃から1960年頃までがオレンジ色のシールド型(道路標識型)、1950年代後半頃からは現在のレッド/ホワイトのシールド型(道路標識型)が使われるようになったようです。
国内でも販売されている「76ルブリカンツ」「ナナロク」「セブンティシックス」「ユノカル」「ユニオン」などの名称で知られる「76Lubricants」のモーターオイルは、フィリップス66社が所有する潤滑油のブランドです。 2016年の米国でのブランドの統合に伴い、国内で「76Lubricants」のブランド名で販売されていたオイルは「Phillips 66」に変更されました。この時の統合では潤滑油ブランドのみで、アメリカでは燃料ブランド(ガソリン/ガソリンスタンド)としては76が残っています。
オイルの品質はAPI(米国石油協会)とILSAC ⇒ CK4(日米自動車工業会)によって定められています。
API性能分類のガソリンエンジン用は「SL → SM → SN → SN PLUS → SP」の順にグレードアップします。
オイルの品質はAPI(米国石油協会)とILSAC ⇒ CK4(日米自動車工業会)によって定められています。
API性能分類のディーゼルエンジン用は「CF-4 → CG-4 → CH-4 → CI-4 → CJ-4 → CK-4」の順にグレードアップします。
オイルの粘度とはオイルの硬さを表しています。
SAE粘度表示は米国自動車技術協会が定めたオイルの粘度分類に基く粘度表記です。
例) 0W-20、5W-30、10W-30、10W-40、20W-50
WはWinterの略で低温時の粘度を表し、どの程度の外気温で使用できるかを判断できます。数字が小さいほど軟らかいオイルで始動性が高いオイルとなります。
「W-」の後の数字は高温時の粘度を表し、数字が大きいほど高温時の粘度が高く油膜が切れにくいため、ターボ車や高回転エンジン(走行)に最適です。
2025年10月16日